日常からの離脱 = 大人のくつろぎ とは?
くつろぎとは? という問いに
私はいつもこう答えます。
「日常と非日常のバランス」をデザインすること。
一瞬で日常シーンを非日常(風)に変えるのは
ある種、照明の得意技!
その技、教えます!
非日常(風)デザインを考えてみる
全員にあてはまるデザインはありません。
のっけからひよっている訳でもありません。
非日常については、日常がどうあるかによって
大きく変わってきますので
ここに書くのは一般的なデザインの一例です。
そんなこともあるかもね、というスタンスで
斜めから読んでいただければ是幸いです。
光の方向をデザインする。
照明の方向は一般的に、上から下ですよね。
天井照明は床を照らします。
ダイニングのペンダントはテーブル上に光を落とします。
ベッドサイドのスタンドもそう。
この光の方向をすべて上向きに変えたらどうか?
これは、以前、弊社のラボでしつこく実験したテーマです。
実験を経て思う私の仮説はこうです。
自然界の光の向きに逆らう光=非日常感 を高める。
自然界の灯り、すなわち太陽光です。
朝夕は横からの光、それ以外は当然、上から下にそそぐ光ですよね。
これに逆らう光とは = 下から上に向かう光 のこと。
照明用語でいう 「アッパーライト」 です。
あくまで私の実験に基づく主観ですが、
アッパーライトを効果的に使うと非日常的照明となります。
ラボに来られるお客様に同じ話をさせて頂いていますが
どうやら男性の共感度が高く、男性はほぼ100%
「分かる~!!」のリアクションをいただきます。
女性は6,7割の方に響く感じがしております。
これは次の章、照明の高さとDNAのお話に関連します。
興味がありましたら読み進めてくださいまし。
(あくまで主観のおはなしですが)
光の高さをデザインする。DNAと関係あり?
光の高さについてはこれまでに様々語り継がれた
デザイン論/研究結果などがあります。
低い灯り=朝日・夕日 に近いことから
「眠りに誘う」
「心身が休まる」
「くつろぎを感じる」
「心拍数がおちつく」 などなど。
これは論文などでも明らかにされている分野です。
これは当ラボでの実験にも通じておりまして
体感として間違いのない事実と感じています。
ここからは少し飛躍した話で恐縮ですが
一日の終わりに低い灯りを眺めると
DNAのレベルで充足感、到達間を感じるモードが
あるのでは、、ということ。
対象は、特に男性です。
私はかなりの時間を焚き火に費やして過ごしています。
原始生活に、やや興味があるためです。
低い灯り=焚き火 に置き換えて、敢えてお話しいたしますと、
太古の昔から、焚き火は一日の終わりを象徴するものであったであろう
ということです。
農作物採取や狩りを終え
一日の終わりに焚き火を囲んで暖を取り食事をする。
100万年のヒトの歴史の99%はこのような生活であったことは
歴史が証明しています。
このように、低い灯りとくつろぎは、
DNAレベルで何らかの関係があるだろうなぁ、、
と、日々焚き火をしながら思う訳です。
これは一種の非日常感。
デザインでいうなら
一種のくつろぎ演出。
この考えで、低い・あたたかな灯りを
積極的に生活シーンに取り入れたって
いいじゃない?
そう私は思っています。
空間デザインで関わらせていただくお客様には
このお話しを包み隠さず話しまして
共感いただけた場合は積極的に
取り入れることにしています。
ほぼ余談のような話で恐縮ですが、
これは私の日々の体験からのお話でした。
非日常的くつろぎは、思い出と関係がある?
焚き火に続いて主観的な話しですみません。
教科書的なものでなく、コラムとして読んでもらえたら嬉しいです。
思い出って、、飛躍しすぎだろ!と言われるかもしれません。
以前、香り専門の大学教授のお話を直接伺った際に思ったことがあります。
(2015年、弊社に各方面の教授が集まりプチシンポジウムをやりました)
香りは、記憶との関係が密接だということ。
パブロフ犬はご存知ですよね。
あれは音と、えさをからめて、いぬが
唾液を出すという反射反応を明確にした実験です。
香りに関しても同じことが言えるのだそうです。
いい思い出とともにある香りは、いい香り。
もちろんその逆もあります。
香りを感じる感覚中枢は脳の近いところにあるので(雑な説明ですみません)
香りの反射は視覚情報より早いのだそうです。
ですからアロマでくつろぎを得る、というのは
理にかなっている訳です。
灯りは視覚情報のほか、皮膚にも敏感なセンサーがあり
感覚を得るそうですが、香りよりは反応が遅いそうです。
話しを戻しますと、
香りと同様、幸せを感じたときに見ていた灯りをみると(浴びると)
幸せホルモンが分泌されるのでは、、と思うのです。
私がある種の灯りばかり作っているのは
この影響なのかもしれないと、灯りを作り始めて暫くたってから
思い至りました。
楽しさを感じる灯りづくりを目指していますが、
どこか哀しく、はかない感じがするとのお声を
お客様からいただくことが多いのも確かです。
原体験は伏せますが、その哀しさはいつも心の中にあり
それが灯りに繋がっていると感じるこの頃です。
この灯りを作っている限り
私はきっとある種の哀しみに包まれ
充足も得られるのだと。
余談にお付き合いいただき
ありがとうございました。
2018-04-18 16:11:37
おしゃれ照明空間のつくり方
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