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小さな灯りの使い方 - 理想の陰影空間に

小さな灯りの使い方 - 理想の陰影空間に

さぁ、ここからは実践編です。

”お洒落” に不可欠なのは、陰影。


セオリーは「明-暗-明」。

めい-あん-めい ってなんだ??



 

陰影について考えた結果

「陰影とは・・・」
と、かしこまって考えることは
あまりないかも知れません。

私のバイブルは、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」。

これが私が陰翳(陰影)を考えるきっかけとなりました。

日本人が古来からもつ陰翳に対する感性は
欧米人には備わっていないと言われています。
そこに、興味を持ちました。

谷崎も描いた”陰翳に対する感性”について
少しの間 思いを巡らせてみませんか?

 

照明例

これは一般的な壁面照明の例です。
8畳ほどの部屋の1面の壁が光らせ、壁から離れるにつれ
明るさは減っていきます。
部屋の半分はほとんど暗がりです。


こちらは北窓を模した窓のような照明です。
こちらの照明も、部屋の反面は暗がりになっています。


私が思う陰翳(陰影)空間とは、
この例では、部屋の中心あたりの
「明るさと暗さの境目」の”感じ”です。

何ルクスなど、数字はあえて控え
感性・感覚の話に徹します。


人工照明のない古来はこの”境目”に大切なものを置いたり
女性が綺麗に見えるよう配慮して席次を決めていたという
話しもあります。


これをベースに照明デザインを考えてみましょう。
冒頭に書いた「明-暗-明」の出番です。

実際の空間づくりで闇を残すことはありませんから、
中心部を暗目にする場合、両面の壁側に灯りを配灯します。

ここでは1Wの灯り(minispot)を2灯使った例を紹介します。


このように、暗がりの境界からまた明るくしてあげると
照明空間のバランスが良くなります。

 

ポイントは”視線の先を明るく”

自分のいる場所を明るくするのではなく、
視線の先を明るく灯すことが、照明デザインのポイントです。
このテクニックはさまざまなシーンで活きますので
よく覚えておきましょう。

この部屋の場合、2面の壁を照明しており、自分は暗がりにいる場合でも
影が明るいので、明るく感じます。

これは”寛ぎのセオリー”の代表例です。
自分は暗がりにいて、明るい処を眺めると
心拍がおちつき、生理的に和むと言われています。

この効果は 「劇場効果」 と呼ばれています。

文字通り、劇場の客席からステージを眺めるシチュエーションに
似ていますよね。
稀にステージのスポットライトが和む方もいるようですが笑
一般的には客席側がストレスがなく、落ち着くと言われています。


この例に使用した「1Wの灯り」はとても小さなものですが、
空間に陰影を残し、「明-暗-明」をつくるのに
丁度よいことが、写真からもお分かりいただけると思います。


★1W(minispot)の照明範囲は
 約1mです(壁からの距離は約1.5m)

 ◎minispotを見る



 

2018-04-18 16:09:42

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